猫の誤飲は、どんな猫であっても起こりえる事故です。
もちろん飼い主が事故の予防として、人間の食べ物や小さな日用品など誤飲の可能性のあるものに注意しておくことが大切です。
しかし、予想外の事態で猫が誤飲をしてしまった、または誤飲の疑いがある場合、もしもの時の対処法をご紹介します。
猫の誤飲は早急に対処すべき
猫の誤飲は、場合によって命に関わることもあり、早急な対処が必要です。
時間が経てば手遅れになってしまうこともあるため、一晩様子を見て・・・といった自己判断での行動は危険です。
また、飼い主が無理に処置を施すと、余計に悪化する場合もあります。
無理に吐かせたり、口や肛門から出ている紐を引っ張ったりするようなことは絶対にやめてください。
誤飲は命に関わることなので、少しでも「誤飲してしまったかも」と思ったらすぐに動物病院に連絡してください!
猫に誤飲の疑いがあるときにすべきこと
猫が誤飲をしてしまった、またはその疑いがあるとき、まずは落ち着いて猫の状態や周りの状況を確認しましょう。
速やかに確認したら、自分で判断するのではなく動物病院に連絡し、医師の指示を仰ぐことをおすすめします。
それでは、誤飲のときに猫に見られる症状など、病院に連絡する前の確認事項をまとめます。
猫が誤飲したときの症状
猫が誤飲した場合の症状の例と、その原因をまとめます。
いつもの様子と比べてどこか違うところがないか、よく観察してみてください。
【猫が誤飲した時の症状例と原因】
症状 | 原因 |
---|---|
ぐったりしている、呼吸が苦しそう | 窒息、咽頭内異物 |
舌や歯茎など口の中が青紫色になる | 窒息、咽頭内異物 |
けいれん、ふらつき、震え、暴れる、泡を吹く、意識不明 | 中毒 |
下痢 | 胃内異物、腸粘膜に傷 |
嘔吐、吐こうとしているが吐けない | 胃内異物、胃粘膜に傷 |
誤飲した物の確認
猫が誤飲した疑いのある場合、誤飲した物が何か確認し、動物病院の医師に伝えましょう。
誤飲物の確認のポイントは以下の5点です。
【誤飲物の確認】
- 猫の口や肛門を確認する
- 猫の周りに誤飲物の残骸がないか確認する
- 猫の嘔吐物、排泄物に異物がないか確認する
- 猫のおもちゃに破損や紛失がないか確認する
- ゴミ箱、薬箱、キッチン、リビングの布製品など身の回りの破損や紛失を確認する
猫が暴れて口の中の確認が難しいとき、大きめのタオルでくるみ、割り箸や先の丸いピンセットを使って口を開けさせ、確認するのがおすすめです。
確認はあくまでも獣医師に引き継ぐためであり、「大丈夫」と自己判断するものではありません。
猫の誤飲 動物病院での処置について
動物病院に着いたら、改めて猫の状態や誤飲の状況をできるだけ詳しく伝えましょう。
病院の処置は猫の状態や誤飲の原因物によって異なります。
一般的な診断の手順は以下の通りです。
【猫が誤飲した場合の動物病院の処置】
- 診察 胃を中心とした触診
- さらに詳しく診察 超音波診断やレントゲン検査
- 嘔吐や下痢の症状がある場合 点滴など脱水症状に対する処置
- 診断結果の報告手術が必要であれば、説明や同意書のサインを行う
- 部分もしくは全身麻酔・手術必要に応じて入院
次に猫が誤飲したときの一般的な治療法です。
【猫が誤飲した場合の動物病院の治療法】
- 嘔吐を促す・・・点滴や注射で催吐剤を投与
- 内視鏡手術・・・切開しない手術(全身麻酔が必要)
- 切開手術・・・腸閉塞の場合や危険物の誤飲の場合、緊急手術を行う
- 投薬・・・中毒症状のある場合、中和や解毒作用のある薬の投与
誤飲してしまった猫は、徐々に衰弱していきます。体力があるうちに処置できるよう、飼い主さんの行動の早さが重要です!
まとめ|猫の誤飲はできるだけ早い対処と予防が大切
今回は猫が誤飲してしまったときの症状や確認すべきポイント、動物病院での治療法についてご紹介しました。
猫の誤飲は、猫の身体に大きな負担となってしまいます。
一歩間違えれば、猫の命に関わる大事故になってしまう可能性もありますので、少しでも誤飲の疑いがある場合は迷わず動物病院に電話し、すぐに対処しましょう。
また、猫の誤飲の危険性をよく理解し、周りの環境を整え、未然に防ぐことが大切です。
大切な家族のため、日頃から猫の健康と安全について、飼い主としてしっかり考えておきましょう。