10歳以上の猫に多い病気、甲状腺機能亢進症をご存知ですか?この病気の厄介なところは、初期症状が病気とはとても思えないところにあります。
中には「猫が元気だから治療しなくてもいいのでは?」という飼い主さんも。
そこで今回は、猫に多い甲状腺機能亢進症についてご紹介します。
病気は早期発見と早期治療が何よりも大切です。いつまでも愛猫に元気にすごしてもらうためにもしっかり覚えておきましょう。
猫が甲状腺機能亢進症かも?
10歳以上の猫に多い甲状腺機能亢進症ですが、7歳で発症した報告もあります。5頭に1頭が発症しているのではないかとも言われており、油断はできない病気と言えるでしょう。
甲状腺機能亢進症とは
甲状腺機能亢進症は、猫のホルモンの病気の1つです。甲状腺が肥大することでホルモンの分泌量が増加し、代謝が活発になりすぎてしまいます。
甲状腺の肥大は甲状腺組織の腫瘍化によるもので、多くは良性腫瘍ですがまれに悪性腫瘍もあるため注意が必要です。
猫の甲状腺機能亢進症の症状
猫が甲状腺機能亢進症になると、以下のような症状が現われます。
- それまでよりも活発になる
- 落ち着きがなくなる
- やたら甘えてきたり攻撃的になる
- 食欲が増加する
- 水をよく飲みおしっこの回数や量が増える
- 毛づやが悪くなったり脱毛する
- 鳴き声や鳴き方が変わる
- 痩せてくる
- 呼吸が早くなる
- 下痢や嘔吐
猫が元気に動き回り、よく食べて水もしっかり飲むから病気ではないだろうと見過ごされがちですが、すべて病気による影響です。
治療しないとどうなる?
猫に甲状腺機能亢進症の症状が現われてそのままにしておくと、病気が進行して猫の寿命を縮めることになります。治療をしなければ猫にどんな影響があるのでしょうか。
体力低下・免疫力低下
代謝が活発になりすぎるということは、内臓に過度な負担がかかり体力が低下していきます。それに伴い、猫自身の免疫力も低下してさまざまな病気と闘う力がなくなります。
病気が進行することによって、食欲が落ちて嘔吐や下痢を繰り返すため、さらに体力が低下するという悪循環を繰り返してしまうのです。
ほかの病気を併発
甲状腺機能亢進症を発症した猫は、治療をしなければさまざまな病気を併発してしまいます。
特に心臓と腎臓へのダメージが大きく、心不全や腎不全などによって命を落としてしまうことも。甲状腺機能亢進症はきちんと治療をしなければいけない病気なのです。
早期発見のポイントは?
甲状腺機能亢進症となった猫に治療を受けさせるためには、早期発見が重要なポイントです。
行動の変化
それまでと違った行動が見られるようになったときは、たとえ猫が元気でも動物病院を受診してください。
甲状腺機能亢進症の症状はさまざまありますが、すべてが当てはまるわけではありません。
鳴き声や鳴き方の変化
甲状腺の肥大によって鳴き声が変わったり、体の違和感から鳴き方が変わることもあります。
猫の鳴き声にも注意して、変化が見られるようであれば動物病院を受診しましょう。
まとめ|老猫は要注意!甲状腺機能亢進症は治療をしよう
猫が甲状腺機能亢進症となったときは、その猫に合わせた治療法が提案されます。
きちんと治療すれば完治することも見込める病気なので、そのままにはせず治療を受けさせてあげましょう。
また、早期発見早期治療がなによりも重要なので、猫の様子が少しでもおかしいと感じたときは獣医師に相談してくださいね。