うちの猫、なんか元気が無くて心配・・・。
猫と生活をしていると、些細な変化も不安に感じてしまいますよね・・・。
「気のせいかも・・・。」「時間が経てば治る」から、病院に連れていくか迷っているという方も少なくないと思います。
でも、愛情を注いできたあなただけが感じる愛猫の違和感は間違っていないかもしれません!
猫の身体に不調が出ると、命に関わる問題に発展したり、不調と長い付き合いになってしまう事が多いです。
また、動物病院で検査してもらった結果「異常が無かった」事は恥じる事ではありません。
今回は猫が元気がない時のチェックポイントと、病院に連れていくべき理由を説明します。
見た目や匂いをチェック
チェックする部分は以下の5か所です。
- 目
- 鼻
- 口・歯
- 耳
- 皮膚
目で見てわかる部分が多いので、不調が出ると比較的にわかりやすい項目ではあります。
逆に言えば普段から見ている部分でもあるため、「これはいつものことだ」と油断してしまう部分でもありますので、些細な変化を見逃さないようにしましょう。
目
- 目ヤニや涙が出ている。
- 充血している。
- 左右の大きさが違う。
- どちらかに目の濁りがある。
- 目がショボショボしている。
結膜炎や角膜炎、緑内障、感染症、神経症が考えられます。
感染症や神経症など、目自体が原因ではない病気の可能性もありますので迅速な対応が必要です。
目の炎症では弱視や失明に至る症状が多数あり、最悪の場合一生目が見えなくなってしまう恐れがあります。
上記の症状はすぐに動物病院に相談してください。
鼻
- 鼻汁(黄色や緑色の)が出ている。
- 呼吸が荒い
- 口でハアハアと呼吸している。
- 鼻血が出ている。
- 鼻先が常に乾いている。
気管支炎や心疾患、猫風邪、感染症などが考えられます。
特に口呼吸をしている場合は呼吸困難を起こしている可能性がありますので、すぐに病院へ連れていきましょう。
人間以外の動物は本来口呼吸ができません。
犬や猫が「ハアハア」と口呼吸をする行為をパンティングといい、体温調節を主とした理由で行います。
運動後や暑くもないのに口呼吸をするということは、呼吸困難や発熱など、猫の身体になんらかの異常が起こっていると言えましょう。
猫風邪を侮らないで!
気管支炎や心疾患はもちろん重大な病気ですが、猫風邪のような感染症も「たかが風邪」と侮ってはいけません。
鼻水やくしゃみなどの症状が続くとご飯の味がしなくなるため、食欲不振を引き起こして更に免疫力を落としてしまう場合も・・・。
はやめの完治が猫風邪の再発防止にもつながります。
口や歯
- よだれが出ている。
- においが臭い。
歯周病や歯根膿瘍(しこんのうよう)、感染症などの病気が考えられます。
本来、肉食動物である猫は歯に異常が出てしまうと、ご飯をうまく食べられず、その時点からの生涯はそう長くはありませんでした。
現在では医療や流動食の発達により、万が一歯の不調が出てしまっても栄養補給ができるようになりましたが、満足にご飯も食べられない猫は幸せでしょうか?
歯石が出来る前に定期的なハミガキを、歯周病に発展する前に定期的な歯石とりを、そして臭いにおいが出てきたと思ったらすぐに動物病院に相談しましょう。
耳
- 汚れがある。
- においが臭い。
- 耳をよくこすったり、かいたりする。
- 傷がある。
- こぶがある。
感染症、外耳炎、外傷、腫瘍などが考えられます。
外耳とは、目で確認できる部分です。
外耳炎が起こると炎症が鼓膜を破って耳の中や身体全体にまわることもあり、大変危険ですので「炎症を起こしている時は動物病院に相談する」習慣をつけるようにしてください。
また、耳周辺に限らず猫にできる「こぶ」は腫瘍の可能性がありますので、すぐに病院で診てもらいましょう。
皮膚
- 1部だけが特に毛が抜けている。
- かさぶたがある。
- 身体が熱い。
ダニ、寄生虫、ストレスの蓄積、猫風邪、アレルギー、感染症などが原因として考えられます。
ダニやシラミなどの症状がでてしまったら病院に行く事は必須ですが、「一度病院で処置をしてもらったら完治」というものでもありません。
部屋の湿度を下げる等の殺虫・防虫をしっかり行い、快適な環境を整えて再発防止に努めましょう。
気になっていたけど放っておいた部分が病気だった症例もあります・・・。
消化器系のチェック
チェックする部分は以下の3か所です。
- 食欲
- トイレ
- 嘔吐
見た目やにおいと比べると異常が分かりづらい項目ですが、猫の行動変化が顕著に見られる項目でもあります。
特におしっこの様子が普段と違っていたら、猫の体内では重篤な異変が起こっている可能性が高いので要注意です。
食欲
- 1日の食事量はいつもより少ない。
- ごはんへの食いつきが悪い。
- 水をいつもより飲んでいるor飲まない。
口の中の病気、消火器系、肝臓系、腎臓系、感染症、ストレスなどが考えられます。
24時間以上の食欲不振である場合は病院で診てもらうことを検討しましょう。
猫は好きな時に好きなだけご飯を食べたい動物ですので、ごはんを抜いたり残したりすることがしばしばあります。
また、最近餌を変更したということはありませんか?その場合、単純に餌が好みではない場合もありますので他の餌を試すことが必要です。
トイレ
- トイレに行く回数が多く、1回に出る量が少ない。
- トイレの時間が長い。
- トイレしながら、声を出している。
尿路結石や急性腎不全、感染症などが考えられます。
おしっこが出る道に石や砂ができるとおしっこが出せなくなり、二次的に腎臓に負担がかかってしまいます。
排尿時には激痛が走りますし、腎臓病は命に関わるのですぐに病院で診てもらってください。
嘔吐
- いつもと比べて、頻繁に吐く。
- 嘔吐物に色がついたものが頻繁にみられる。
消化器系の疾患や胃の中の毛玉、感染症などが考えられます。
猫は健康であっても、胃の中に毛玉がたまったときに吐くことは猫の習性です。
とくに、換毛期の「春」や「冬」は吐く回数が多くなることがありますので過度に心配する必要はありません。
ただ、あまりにも吐く頻度が多い場合は動物病院に電話相談し、指示を仰ぎましょう。
明らかな行動変化があるのに、習性によるものが多いために発見が遅れやすい項目でした。少しの違和感を見逃さないようにしてください・・・!
猫の様子をチェック
チェックする部分は以下の2か所です。
- 歩き方
- 体重
歩き方は一目瞭然ですが、体重は普段からしっかり把握しておかないと異常の発見が遅れてしまいがちな項目です。
普段から猫の様子を観察し、些細な変化を見逃さない環境作りをすすめましょう。
歩き方
- 首を傾けて歩いている。
- 足をひきずって歩いている。
- よろけたり、ふらふらしている。
神経の障害による運動失調や外傷、痛み、視力、感染症、体力の低下などが考えられます。
外耳炎から、バランスをつかさどる神経に障害をきたしているという症例もあります。
足を引きずって歩いている程の症状は、外傷由来、神経障害いずれの原因に関わらず、猫の健康状態が重篤に損なわれていることが確定的ですので、動物病院に罹るのは必須です。
体重
- 最近急に体重が落ちた
- 急激に増えた。
体重減少:消化器系や悪性腫瘍、寄生虫、腎不全
体重増加:心臓や呼吸器の異常
上記のような原因が考えられます。
急激な体重の増加や減少があれば、悪性腫瘍や心疾患の可能性があるのですぐに病院へ連れていきましょう。
また、体重の変化は見た目から気づく事が多いのですが、正常な状態の体重を把握していないと異常な体重増減に気付くのが遅くなります。
定期的に健康診断を受けるのはもちろん、もう少し頻度を高めて体重測定をすることが猫の健康管理にはとても大切です。
気付くのは容易ですが、原因・期間の把握が難しい項目でしたね。意識して気にかけてあげることが健康管理の第一歩とはよく言ったものです・・・。
まとめ
猫は不調を隠す習性がある動物ですので、少しでも異変に気づいたときは、基本的にすぐに病院で診てもらいましょう。
今回のチェックで気づいたことを、診てもらうときに伝えると症状の把握や治療の助けになります。
また、猫の健康管理は普段から観察や健康のチェックをすることが一番大切です。
これからもずっと、楽しい猫との暮らしを実現するためにつね日ごろからチェックするようにしましょう!