高いところから軽々ジャンプしふわりと着地する猫。
その柔軟さから、猫はあまりケガをしないイメージがあるのではないでしょうか。
いくら対策や予防をしていても、猫も生きもの、病気やケガをしてしまうこともあります。
実は、猫は調子が悪くてもあまり表に出さない動物です。
そんな猫の健康状態にいち早く気づけるように、今回は猫の病気やケガについてご紹介していきます。
猫の病気・ケガ もしものときの備えは必要
猫が暮らす環境を整え、健康に気遣って生活していても、事故や病気の可能性はあります。
万が一の場合に備えた心づもりと、対応できる費用の用意はしておきましょう。
猫専用の保険に入ったり、猫のための貯金をしておくのもいいでしょう。
また、病院へ来院する際にはキャリーケースが必要です。
慣れないキャリーケースを嫌がる猫もいますので、日頃からキャリーケースに慣らしておくことも、病気やケガの備えとして有効です。
備えあれば憂いなしとはよく言ったものです・・・。費用面はもちろん、病院に連れていける環境も備えておきましょう。
猫がかかりやすい病気・ケガと治療費
それでは、猫がかかりやすい病気やケガについて紹介していきます。
猫がかかりやすい病気
【猫がかかりやすい病気TOP3】
1 | 膀胱炎 |
2 | 嘔吐 |
3 | 結膜炎 |
膀胱炎
猫は砂漠に住んでいた動物です。
そのため水が少なくても生きていけるように、水分は節約して飲む傾向があります。
この体質によって、泌尿器系の病気にかかりやすくなってしまうのです。
予防のためには十分な水分補給が大切です。
【猫の膀胱炎の症状と治療例】
軽度の治療例 | 重度の治療例 | |
---|---|---|
症状 | 頻尿、食欲不振、元気がない | 頻尿、血尿、排尿時に痛み、食欲不振、元気がない |
治療内容 | 尿検査、注射、投薬 | X線検査、点滴、注射、投薬 |
治療費 | 約10,000円 | 約200,000円 |
嘔吐
猫の嘔吐はよくあることなので、あまり心配しない人も多いです。
ただし、いつもと様子が違っている場合は注意が必要です。
猫の嘔吐は毛玉を吐く場合もありますが、胃腸や肝臓、腎臓などの臓器に炎症が起こっている場合があります。
【猫の嘔吐の症状と治療例】
軽度の治療例 | 重度の治療例 | |
---|---|---|
症状 | 嘔吐、食欲不振、元気がない | 嘔吐、下痢、食欲不振、元気がない |
治療内容 | 血液検査、点滴、投薬 | X線検査、内視鏡検査、点滴、手術、投薬 |
治療費 | 約10,000円 | 約140,000円 |
結膜炎
猫は身体の構造上、目の病気にもかかりやすい動物です。
細菌やウイルス、アレルギーなどによって炎症が起こります。
予防としては、定期的にワクチンを接種することで感染症を抑えることができます。
【猫の結膜炎の症状と治療例】
軽度の治療例 | 重度の治療例 | |
---|---|---|
症状 | 目の充血、涙が多い、目やに、しきりに目をこする | 目の充血、浮腫、酷い目やに、しきりに目をこする |
治療内容 | 検査、外用薬、投薬 | 検査、注射、点眼薬、投薬、入院 |
治療費 | 約3,000円 | 約80,000円 |
猫がしやすいケガ
猫に最も多いケガは「骨折」です。
とっさに段差から落ちてしまうと、上手く受け身をとれずにケガをしてしまうことがあります。
キャットタワーや階段、椅子などの上り下りは、運動不足の解消に適切です。
ただし、猫の様子にいつもと違うところはないか日頃から観察し、ケガをしたときはすぐに気づけるようにしましょう。
【猫の骨折の症状と治療例】
軽度の治療例 | 重度の治療例 | |
---|---|---|
症状 | 足を引きずる、骨折した足が地面に着かない、出血、排泄が上手くできない | 食欲不振、意識不明、呼吸不全 |
治療内容 | 検査、ギプスで固定、投薬 | 検査、手術、ギプスで固定、投薬、入院 |
治療費 | 約20,000円 | 約200,000円 |
骨折の状態によって処置の内容や完治までの期間、かかる費用に幅があります。
折れた骨は治癒可能ですが、放置してしまうと命に関わる場合もありますので、できるだけ早く対応しましょう。
社会保険のような制度がありませんので、治療費が高額になってしまいまいがちです。費用面が原因で初動が遅れるくらいなら、予めペット保険に加入しておくと安心ですね!
ワクチン接種と避妊・去勢手術
猫の健康と安全を保つためのワクチン接種や避妊・去勢手術についてご紹介します。
避妊・去勢手術は飼い主の判断となりますが、ワクチンは定期的に必要不可欠なものです。忘れずに管理するようにしましょう。
猫のワクチン接種
猫が接種するワクチンには3種類あります。
室内でのみ過ごす猫は“3種混合”、外出する猫は“4種混合”もしくは“5種混合”というように、猫が暮らす生活環境に合わせて接種することをおすすめします。
【猫のワクチンの内容と費用】
予防できる感染症 | 費用 | |
---|---|---|
3種混合 | 猫ウイルス性鼻気管炎 猫カリシウイルス感染症 猫汎血球減少症 | 3,000~5,000円 |
4種混合 | 基本の3種+猫白血病ウイルス感染症 | 5,000~7,000円 |
5種混合 | 基本の3種+猫白血病ウイルス感染症+猫クラミジア感染症 | 5,000~7,000円 |
猫の避妊・去勢手術
猫の避妊・去勢手術は、必ずしなければいけないものではありません。
しかし、猫のストレス軽減や生殖系の病気の予防、望まない妊娠を回避するために推奨される意見が多く見られます。
【猫の避妊・去勢手術の費用】
費用 | |
---|---|
猫の避妊手術 | 10,000~20,000円 |
猫の去勢手術 | 15,000~30,000円 |
いずれも病気のリスクを格段に下げることができますので、ワクチンは必ず、避妊去勢は念入りに考えて検討してください。
まとめ|猫の医療 心構えと費用の備え
人間の病気やケガと同じように、猫の病気やケガもまた予想外に起こるものです。
人間のように公的な保険のないペットの医療費は、基本的には飼い主が全額用意しなければいけません。
そのため、猫用貯金もしくは任意の保険に入るのもひとつの方法です。
緊急事態に飼い主も猫も困ってしまうということのないように、猫の病気やケガについてよく調べ、もしものときのために備えておきましょう。