近年は、野良猫を保護してお迎えする人が増えてきています。自分で飼えないにしても、野良猫を保護したいと思っている心優しい人もいるでしょう。
しかし、野良猫を保護するというのは、捕獲しておしまいというわけではなく、捕獲したあとに動物病院で診察を受けてもらうことも忘れてはいけません。
そこで今回は、野良猫を保護したら動物病院ですべき検査と、診察にかかる費用についてご紹介します。
これから野良猫を保護しようと思っている人や、保護してまだ動物病院に連れていっていない人はぜひ参考にしてください。
そもそも野良猫を保護したら動物病院に連れていくべき?
野良猫を保護したら、最初に動物病院を受診させましょう。それには2つの理由があります。
- 見た目は健康でも寄生虫や感染症の可能性が高い
- 健康状態を把握できる
見た目は健康でも寄生虫や感染症の可能性が高い
野良猫がケガをしていたり、明らかに何かの病気であるとわかる場合は、ためらうことなく動物病院で診察を受けるでしょう。
しかし、見た目が健康であれば大丈夫だろうと思いがちですが、自己判断してはいけません。
野良猫は感染症を患っていたり、寄生虫がいる可能性があるので、必ず最初に動物病院へ連れていきましょう。
見た目ではわからないことの方が多いので、確実に受診しましょう!
健康状態を把握することでメリットも
野良猫の健康状態を把握することは、とても大切なことです。
里親探しをするにしても、野良猫の情報をきちんと伝えてあげることでトラブルの回避だけでなく、その猫が幸せに暮らせる家族がみつかります。
また、自分でお世話するにしても、どんな病気を持っていて何に気をつけなければいけないかなど、最初にわかっておくことでいつまでも元気に暮らしてもらうことができますね。
野良猫がすべき検査は?
野良猫を保護したら、動物病院でどんな検査をしたらいいのでしょうか。
何もわからず必要な検査がされていなかった、なんてことのないようにしっかり覚えておきましょう。
野良猫に必要な検査は以下の4つがポイントです。
- 身体検査
- 糞便検査
- ウイルス検査
- ワクチン接種
身体検査
まず獣医師に野良猫であることを伝えれば、猫の身体にノミやマダニがいないか、耳の内部に耳ダニがいないかを確認してくれます。
野良猫は屋外で暮らしているため、ノミやマダニに寄生されている確率は高いので、駆除薬を処方されることになります。
糞便検査
糞便検査をしてもらい、お腹の中の寄生虫も確認します。
野良猫のように屋外で暮らしている猫のお腹にはほぼ寄生虫がいると思って間違いないです。
野良猫の腸内に寄生するのは、ネコ回虫・イヌ小回虫・マンソン裂頭条虫・猫鉤虫…など、さまざま。
寄生虫の種類によって治療法は異なります。
ウイルス検査
FIV(猫エイズ)とFeLV(猫白血病)の2つのウイルス検査をしてもらいます。
猫同士で感染してしまう感染症なので、同居猫がいる場合や里親を募集する際にも必要な情報となります。
この2つのウイルスは、どちらも感染しただけでは無症状ですが、発症してしまうと命に係わることもあり治療法もないので、発症させないようにすることが大切です。
ワクチン接種もしておこう
動物病院で検査をしてもらうついでに、混合ワクチンも接種してもらいましょう。
猫に接種するワクチンの種類は、以下の4パターンです。
- 3種混合ワクチン…猫伝染性鼻気管炎・猫カリシウイルス感染症・猫汎白血球減少症
- 4種混合ワクチン…3種+猫白血病ウイルス
- 5種混合ワクチン…4種+猫クラミジア感染症
- 7種混合ワクチン…5種+猫カリシウイルス2種類
猫をさまざまな感染症から守るためのものなので、どの混合ワクチンを接種すべきか獣医師と相談して決めましょう。
寄生虫と感染症は見た目ではわかりませんよね・・・。今後の病気のことも考えてワクチン接種も前向きに検討してくださいね。
動物病院にかかる費用は?
動物病院は、自由診療です。独占禁止法によって、獣医師会や獣医師団体が料金を設定することは禁止されています。
ですから、動物病院によって診察にかかる費用がバラバラ…。とはいえ、だいたいの目安は知っておきたいですね。
動物病院の診察費用
野良猫を保護して最初にかかる動物病院の検査費用を項目ごとに示しました。
- 初診料…1,000円~3,500円
- ノミ・マダニの駆除薬…1,200円~2,000円
- 糞便検査…500円~1,500円
- 2種類のウイルス検査…4,000円~8,000円
合計…6,700円~15,000円
このほかに何か異常があれば、血液検査や尿検査、レントゲン検査やエコー検査など、必要に合わせた検査が加わります。
もちろん病気やケガがみつかれば、治療するためのお薬の費用もかかるので、念のため最初は多めに用意しておいたほうがいいでしょう。
ワクチン接種にかかる費用
こちらも動物病院によって異なりますが以下の一覧が目安です。
- 3種混合ワクチン…3,000円~6,000円
- 4種混合ワクチン…5,000円~8,000円
- 5種混合ワクチン…5,000円~8,000円
- 7種混合ワクチン…7,500円~8,000円
金額だけを見るとそれなりの費用はかかりますが、感染症になってしまってからの治療費はもっとかかることを考えれば、そこまで大きな出費ではないでしょう。
猫の幸せを考えると大きい出費ではありませんね。必要不可欠な出費ですので、最寄りの動物病院に問い合わせしてみるのも手です。
まとめ|野良猫を保護したら動物病院で検査を受けよう!
今回は、野良猫を保護したときに動物病院でするべき検査や、かかる費用についてご紹介しました。
野良猫を保護するのは、それなりにお金がかかります。それは、野良猫に限らずほかの猫も一緒です。
野良猫を保護したら、動物病院で必ず検査を受けさせてあげてください。
それがその猫にとって、いつまでも元気で暮らすための第一歩なのです。